ディズニーのCEO(2005年9月まで)を務めるマイケル・アイズナー氏の半生を振り返った自伝。学校を卒業した後、ラジオ局で交通量調査などをしながら職を探しテレビネットワーク局のCBSへ、すぐにABCへ移り人気番組を手がけて頭角を現し副社長となります。パラマウント・ピクチャーズの社長としてこちらでも成功を収めた後、1984年にディズニーの会長へ。同時に社長となったフランク・ウェルズ氏とコンビを組み、ジェフリー・カッツェンバーグ氏らを率いて、当時は買収をかけられるまで落ち込んでいたディズニーを立て直しました。21年という長期に渡りトップでいるなかで、1994年にフランク・ウェルズをヘリコプター事故で失い、ここ数年の業績の低迷する現在では、ディズニーの不振の種のようかに語られてしまうことも多いです。しかしディズニーを蘇らせたのはやはりこの人の力が大きかったわけで…。日本で本書が出版されたのは、2000年。東京ディズニーランド15周年で最高年間入園者数1,745万人を記録した後、東京ディズニーシーのオープンも控えて日本でのイメージは特に絶好調の時。経営者の引き際は本当に難しいものですね。
本書では、上巻が生い立ちからだいたい90年ごろまで、下巻がそれ以降1999年ごろまでとなっています。CEO就任後のことについては、業務分野ごと(パーク、アニメーション、ディズニーストア、ABCなど)に章立てされていますが、実際にはこれが並行して進行していたと思うと気が遠くなります。また、本人の才覚も当然ありましょうが、勝負どころでの幸運にも驚かされます。フランク・ウェルズ氏を始めとした素晴らしい人々との出会いや、様々なタイミングの良さはマジカルです。
近年に至るディズニーの動向や人について知るにはよい一冊かと。「ディズニーズ・アメリカ」やユーロ・ディズニー(現ディズニーランド・パリ)の当初の失敗を読める少ない本です。新CEOとなるボブ・アイガー氏の人となりも少し見えてよかったです。マイケル・アイズナー氏もきっと仕事大好きですが、ボブ・アイガー氏はそれ以上。午前5時半に会社の隣のジムで一汗流してから、6時半から夜遅くまで仕事って…、新ディズニーへの期待が高まりました。上下巻で\3,500と破壊力のある価格、ページ数も多くて敷居が高かったです(結局2年近く積み本になってました…)。